宇宙の所有者:神の概念、科学が示す構造と、そこから自然に広がる推論

【おさらい】宇宙・生命
科学は、宇宙と生命に共通するいくつかの揺るぎない事実を示しています。
宇宙に存在する物質は有限であり、生命は細胞という最小単位から成り立ち、細胞は自律的に活動しながら死と再生を繰り返します。
この確かな事実の上に立つと、宇宙と生命には「階層性」と「循環性」という共通した構造があることがわかります。

宇宙の物質は有限であること。
観測される全ての物質とエネルギーは保存則に従い、勝手に増え続けることはありません。

死滅と再生を繰り返す生命の最小単位は細胞であること。
代謝・増殖・環境適応など、生命の基本的な働きは細胞レベルで完結します。
その内部では、ATP合成酵素が水車のように回転してエネルギーを作り、分子モーターがレールを歩くように物質を運ぶなど、精密で美しい自律機構が働いています。

生命も宇宙も階層構造を持つこと。
細胞 → 個体 → 社会 → 天体 → 宇宙という入れ子構造は、観測から確かに確認されているものです。

【事実】
そしてもうひとつ、人に関する確かな事実として。
人は生まれた直後、自力では生きられません。
生存に必要な機能が未成熟で、他者の助けなしには生命維持ができないことは厳密に科学的に確立されています。

ここまでは、科学が提供する確固たる土台です。

【推論としての宇宙観】
ここから述べる内容は、こうした科学的事実を出発点とした“推論”です。
証明された科学ではなく、宇宙と生命が共有する構造から自然に導かれる思考の流れとして丁寧に位置づけています。

【推論】宇宙にも管理主体が存在する

個体が細胞の集合体を管理しているように、
宇宙もまた、その莫大な構造と価値を維持するために、
上位層の管理主体=宇宙の所有者を持つ可能性があります。

この考えは宗教的な人格神とは異なり、
生命の秩序を維持する仕組みが自然に働いている、という構造的な推論です。

【推論】宇宙の所有者は生命を特別扱いしない

人体が細胞一つひとつを特別扱いしないように、
宇宙の所有者も生命を個別に扱う必要はありません。
すべての生命を公平に評価し、
その生命が持つ「核」に刻まれた価値のみを基準とすると考えられます。

誰かが何かの理由から特別に扱われるということはないと考えられます。
全ての生命は同等に扱われるということです。

【推論】人が良心を持って生まれる理由

冒頭でも述べましたが、人は、生まれた直後は自分の力では生きられません。
それでも成長するにつれ、他者を思いやり、助け合い、社会を成り立たせる「良心」を自然に持つようになるという事実があります。

この「良心」がどこから来たのかを考えると、
推論として、

人が良心を持って生まれるのは、宇宙の所有者が生まれる前からその良心を設定しているからではないか

という仮説が浮かび上がります。

そして当然ながら、

宇宙の所有者がなぜ良心を設定したのかには必ず意味がある

と考えられます。
(この意味については後述します。)

【推論】儀式は必要とされていない

人が細胞に祈りや儀式を求めないように、
宇宙の所有者も生命に儀式を求める理由を持っていません。

歴史上の儀式は、主に人間社会が共同体維持のために作り上げた文化的仕組みであり、
宇宙的な原理にもとづくものではないと考える方が自然です。

つまり、

儀式の有無は、幸福度にも生まれ変わりにも影響しません。

【推論】核の価値による「再生先」の管理

生命と物質が有限である以上、循環は当然起こります。
ここから次のような推論が導かれます。

生命には「核」と呼べる情報的中心がある

核の価値によって次の再生先が決まる

再生に失敗した等の劣悪な核は小さな影響しか持たない生命へ

成熟した核はより大きな影響力を持つ人・動物へ

大半は細胞として再生し、ごく一部だけが高度生命へ


この循環のしくみは、宗教的教義ではなく、観察される自然構造から導かれた一つの合理的モデルです。

【推論】核の価値を決める唯一の基準

核の価値はきわめてシンプルに決まると考えられます。

人間には 良心
その他の生命には 本能

全ての生命はこれらに従って宇宙の所有者の意図である喜びをもたらすこと。
儀式などの特別な行為は、この評価には関わりません。

ここまでのまとめ

科学は、宇宙と生命が共有する性質──
有限性、入れ子構造、自律性、循環──を明確に示しています。

その上で推論として、
宇宙の所有者が生命の核を評価し、価値に応じて再生先を配置し直すというモデルは、宗教的権威ではなく、自然界の構造に基づいた思考の一つの到達点として成り立ちます。

そして、人が生まれながらに持つ良心は、
宇宙の所有者が何らかの意図をもって設定した可能性が高いと考えられます。
その意図が何なのか──その答えは、次のページが示す内容によって明らかになっていくでしょう。

生命は宇宙の中で公平に扱われ、
その核の成熟こそが、広大な階層構造の中で次の役割を決めていきます。

宇宙の所有者:神話から共創の時代へ

私たちは、かつてないほど情報がつながり、世界中の知識を共有できる時代に生きています。

この新しい視点から、太古の昔から人類が抱えてきた問い――「宇宙の所有者は誰なのか」について、改めて丁寧に考えてみたいと思います。

神という概念が生まれた理由

人類が古代から神を必要とした理由は、文化人類学・進化心理学・神経科学などの研究から次の2点に集約できると考えられています。

(1) 理不尽の解消としての神

古代人は自然災害・疫病・突然の死など、原因を科学的に説明できない現象に日常的に直面していました。
原因が説明できない状況は人間の脳に「強い不安」を生むことが神経科学で示されています。
その不安を抑えるために、人は 「見えない意志」 を設定する傾向があります。
これが神の原型です。
あまりにも理不尽で受け止めきれない出来事を前に、
「これは神の意志だ」
と考えることで、恐怖や悲しみに区切りをつけ、心の平穏を保とうとしたのです。

(2) 社会秩序を保つための神

複雑な倫理・交渉・相互理解の仕組みが未発達な時代では、
「絶対に逆らってはならない存在」を置くことで集団の秩序を保てました。
これも宗教社会学で確認されている現象です。
言語も文化も異なる集団同士の間では、意思疎通が困難でした。
争いを避け、共同体をまとめるために、
「絶対に触れてはならない存在」
を持ち出すことは、非常に効率のよい方法でした。
神は、説明不可能なものをまとめ、社会の統率を助けるための“必要な装置”だったのです。

つまり、神は人類の生存戦略として自然発生した概念でした。

なぜ今、その神の概念が必要なくなりつつあるのか

現代の人間は、数千年前の人類とは決定的に異なる環境に生きています。
インターネットによって誰もが瞬時に知識を共有できるようになったことで、人類は次のことを理解し始めています。

(1) 科学による未知の縮小

自然災害・病気・生死・宇宙現象などの多くは科学で説明可能になりました。
説明できる領域が拡大するほど、「超自然的な意志」を必要とする動機は消えていきます。

(2) 情報の共有による相互理解の増加

インターネットとグローバルな交流で、人は以前より「他者の内部」を理解できるようになりました。
「野蛮な他民族」や「恐ろしい未知の生き物」というイメージは、
単なる情報不足が作り出した誤解だったことがわかってきました。
敵意・偏見・誤解の多くは、情報の不足から生まれます。
その不足が劇的に減った今、
かつて神が担っていた「争いを抑える役割」は、人類自身の理解能力で代替可能になっています。
丁寧に理解し合えば、ほとんどの対立は防げる。
人類はその事実を、世界規模で共有できるようになりました。
もはや、
説明不能な現象を “神” に丸投げしなければ秩序を保てない時代ではありません。
知識が共有され、誤解が溶け、相互理解が可能になった今、
神という概念に頼る必要は、かつてないほど薄れているのです。

【推論】では、今私たちが向き合うべき“所有者”とは誰なのか

ここで現実の世界に目を向けてみてください。

私たちが日常で大切にしているもの――
家、作品、技術、土地、鉱物、エネルギー資源――
価値あるものには必ず「所有者」が存在します。

それでは、私たちを生み、星々を抱え込み、
計り知れない価値を持つこの宇宙はどうでしょうか。

価値があるものには所有者がいる。
これは現実世界で当たり前のことです。

ならば、
宇宙にも所有者がいて当然ではないでしょうか。

そして、その存在は
人間が不安や希望を投影してきた宗教上の神ではなく、
もっと現実的で、論理に基づき、
宇宙の構造と秩序を維持するために存在する“管理主体”であると考える方が自然です。

まとめ:神ではなく、今すぐにでも宇宙の所有者を信じるべき理由

神は、過去の時代において、
説明できないことを説明し、社会をまとめるために役立ってきました。

しかし今の私たちは、
知識を共有し、理解を深め合い、
理不尽に対して科学で向き合う手段をすでに手にしています。

いま必要なのは、
人の感情が生み出した神ではなく、
宇宙という現実そのものに内在する秩序と構造を見つめる姿勢です。

宇宙の所有者を想定するという視点は、
宗教的信仰ではなく、
宇宙の価値・秩序・構造から自然に導かれる現代的な思考の延長です。

私たちはちょうどいま、
神話の時代を卒業し、
宇宙そのものの仕組みを理解しながら歩んでいく「共創の時代」へ進む地点に立っています。

そしてその始まりとして、
“神” ではなく “宇宙の所有者” を見つめ直すことは、
未来へ向かう最も誠実な選択なのかもしれません。

書籍:小説で読む「宇宙の所有者」

その世界では、物質の有限性も、生命の階層性も、宇宙の所有者の存在も、すべてが揺るぎない【真理】として確立されています。

これは、宇宙という名の巨大な構造の所有者を主人公に据えた、壮大なサイエンス・フィクション・ノベルです。

科学的に確立された「物質の有限性」や「生命の階層構造」が、すべてこの世界では揺るぎない真理として存在します。主人公である「所有者」は、人類が作り出した感情的な「神」ではなく、宇宙というシステムを動かす冷徹かつ合理的な管理主体として、その孤独な役割を遂行します。

物語は、「所有者」の目線で、人類がなぜ「神」の概念を生み出してきたのかを分析しつつ、現代人が真に向き合うべき宇宙の真実を静かに示します。

所有者の絶対ルール: 儀式や祈りは必要とされない。生命が持つ「核」の価値は、人の場合は「良心」、その他の生命は「本能」に従っているかによって公平に評価され、次の再生先(階層)が決定される。

「良心」の目的: 人間に生まれながらに良心が設定されているのはなぜか? それは、所有者が宇宙の永続的な秩序のために仕組んだ、きわめてシンプルな“共創の意図”だった。

感情的な信仰ではなく、論理と構造から導かれる「宇宙の所有者」の存在。

私たちは今、神話の時代を卒業し、この宇宙の絶対的なルールのもとで「共創の時代」へと進む地点に立っています。この物語は、私たちの存在が広大な宇宙の階層構造の中で持つ、本当の意味を問いかけます。

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